2級の障害基礎年金と障害厚生年金 独身の方の年金額
「ネットで調べたけれど、どこにも書いてません。障害年金はいったいいくらなんですか?」
というご質問がありました。
ネット上には計算式が見つかります。が、それだけではわかりにくい・・・
おっしゃるとおり、ごもっともです。
誤解が生じるかもしれませんが、あえて、金額を計算して
障害基礎年金2級と障害厚生年金2級を比べてみることにします。
目次
- ○ 2級の障害基礎年金
- ○ 2級の障害厚生年金
- ○ まとめ
- ○ LINEでのお問い合わせ
2級の障害基礎年金
障害基礎年金は比較的わかりやすく、
ずばり令和4年度の金額 今年はいくら?
そんな感じでネット上に書いてあります。
令和5年は 795,000円です。
この金額は遺族基礎年金、老齢基礎年金(満額)と同じです。
「今年の金額があるということは? 来年はどうなるの?」
気になった方、ここまで読んでいただきありがとうございます。
そうです。毎年見直しがあります。
説明は割愛させていただきますが、気づいてくださってうれしいです。
機会をつくって後日ご案内します。
さて、
「優さんという方がいらっしゃいます。
卒業後、会社勤めを10年されて厚生年金保険に加入しています。35歳、独身です。
報酬は、毎月200,000円、ずっと変化なしです。」
優さんが障害基礎年金2級を受け取ることになった場合は
795,000円
この金額です。
年金ですから年額です。
1か月分なら、12で割って66,250円です。
私達はひと月いくら?に慣れているので、年額と言われても生活感がわかりません。
年金制度のわかりにくさは
こんなところにもありそうです。
2級の障害厚生年金
平均標準報酬額×5.481/1,000×厚生年金保険加入期間の月数
これが
計算式になります。
優さんの場合、
平均標準報酬額は、変化がなかったので、
200,000円
厚生年金保険加入期間は10年(120月)なので、
200,000円×5.481/1,000×120月=131,544円
年額131,544円の年金になります。
ここで、障害厚生年金の大きなメリット!!
加入期間の月数が300月(25年)未満の方は、300月に増えます!
10年しか会社員期間がない優さんでも25年加入していたのと同じ金額になるのです。
ということは?
131,544円×300/120=328,860円
に、増えます!
そして、障害厚生年金2級の受給権は、障害基礎年金との2階建てなので、
795,000円+328,860円=1,123,860円(月額93,655円)
障害基礎年金と比べて、月額では、27,405円の差になります!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
この金額に「へぇーそうなんだ、1か月27,405円多いんだぁ」
と、今思いましたね?
「ふーん・・・」
と、思いましたね? 軽い話ではないのです!
優さんは今35歳独身です。このまま65歳まで
障害年金を30年間(360月)受け取り続けたら
27,405円×360月=9,865,800円です!
約1千万円!
毎月27,405円の差が、30年では1千万円の違いになってしまうのです。
お金への感覚、正しいですか?
短いスパンでしか考えられないお金感覚になっていませんか?
同じ2級であっても、これだけの差ができてしまうのです。
初診日に会社員で厚生年金に加入しているか、国民年金に加入しているかという
それだけの差で、病状には何も差はなくとも大きな金額の差ができてしまうのです。
時々この差にひっかかって、障害基礎年金になってしまう残念なケースに出合います。
まとめ
優さんが障害基礎年金2級を 65歳まで30年間受け取り続けたら
795,800円×30年=23,850,000円
優さんが障害厚生年金を 65歳まで30年間受け取り続けたら
1,123,860円×30年=33,715,800円
仮の設定で計算してみましたから、正確ではありません。
つっこみどころ満載ですが、
障害厚生年金なら、ありがたいな
そんな感じですね。
ここで、また疑問が湧きましたか?
「障害基礎年金2級の方を受け取った優さんは
加入していた10年分の厚生年金保険料はどうなる?」
いいところに気がつきましたね。
これは、また次の機会のご案内といたします。
今回はここまで! では、ごきげんよう!
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